【ブレイザーR93 キングアームズ製】



ブレイザーR93はSIG傘下のBlaser社(ドイツ)が開発したライフルです。
独特なフォルムのおかげで映画やゲームの世界ではかなり有名ですが、軍隊というより法執行機関
での採用が多いためサバイバルゲームの「リアル系装備」のジャンルに合わせづらくフィールドでは
滅多にお目にかかることがありません。

これまでエアガンのR93といえばアサヒ製のみが存在していました。
従来のボルトアクションはレバーを起こしてから引き、戻してレバーを倒すというアクションが必要でしたが
ブレイザーはそのまま引いて戻すだけという「ストレートプル」という作動方法を採用しています。
アサヒもこれを忠実に再現し、全体の造りも非常に完成度の高い仕上がりになっていますがその価格は
簡単に手を出せるレベルではなく、現在のオークションでもトイテックバルカンと同レベルの値段になっています。
絶対数が少なく高価格というのが普及しない最大の理由でした。

そこに切り込んだのがキングアームズのR93ですが、アサヒより格段に安いとはいえ5万円近い価格と
ストレートプルの再現方法の手抜きと完成度の悪さからやはり普及する程の勢いはありませんでした。
その後最大の問題点であったストレートプルの構造や外観が見直され、まだまだ不完全な部分が残りながらも
新バージョンが発売されました。
初期版はKA-AG-74でここで紹介するのは新バージョンのKA-AG-87となります。
(両バージョン共にマイナーチェンジがかかっているのでロットによって細部が異なります)

74版では再現されなかったボルトキャリアも87版では一応再現されています。
(74では内側のシリンダーだけが動いていました、ハンドルの位置も実銃と異なります)

レシーバー後部はシリンダーと一体で左右のレールでレシーバー内部をスライドします。
従来のボルトアクションのようにシリンダー自体がレシーバー内部で擦れない構造です。

【実銃の場合】
ボルトハンドルは少しだけ回転するようになっており下の画像の上の閉鎖状態ではハンドルが下がって
ボルトのロック機構が作動します。
ハンドルを引くと自然にハンドルが回転してロックを解除します。
「引いて戻すだけ」の動作ですが実際にはハンドルの回転でロックのON/OFFが行われています。

【KingArmsの場合】
ハンドルは実銃のように若干回転しますがロック機構はありません。
ただ、そのままではコッキング後のシリンダーが自由に動いてしまうのでボルトキャリアのレールが
定位置まで戻るとレールの窪みに突起が入ってシリンダーを固定するようになっています。
このロック方式は純正のままでは固すぎてコッキング操作に影響が出るので程よい固さに調整しています。




元々箱出しで使えるレベルではないため入手後のチェックもソコソコにパーツ交換&加工に着手します。

【ホップチャンバー】

数少ないR93ユーザーですが全ての方が酷評しているのがインナーバレル固定パーツとホップ調整レバー
の出来の悪さです。
パーツ精度が悪く強度も無いためインナーバレルはガタガタ、ホップ調整レバーも微調整ができません。
現状がどうかは省略して加工した結果をご紹介します。

まずインナーバレルの固定はネジ山を切ってイモネジを入れました。
インナーの窪みを左右から均等に押さえることで回転方向のズレも防止します。



微調整が効かず不安定なホップ調整レバーは排除してアウターバレルに調整用イモネジを付けました


【トリガーシステム】

名機APS系のトリガーシステムはピストンを支えるシアがわずかな動作で一気に倒れて解放するため
非常に繊細で軽いトリガープルを実現しています。
残念ながらR93はトリガーの引き具合に合わせてピストンを支えるシアが下がる構造のためフェザータッチ
という訳にはいきません。
しかし各パーツの研磨や調整と内部スプリングの交換等でそれなりのスムーズさは確保できます。
あとは独特のトリガーフィーリングに慣れてシアが落ちるポジションを把握すれば特に問題なく使用できます。

ただ、ダイキャストのシアは強度が不安なのでオプションの強化バージョンに交換しています。
(上)純正 (下)強化バージョン シア類はスチール削り出しです)


【ピストン&スプリングガイド】
純正は貧弱な樹脂製なので強化版に交換します。


【サイレンサアタッチメント】
遠くても50m未満での射撃になるサバイバルゲームではどんなに消音化を頑張ってもエアコッキングの
発射音を相手から完全に遮断することは周囲の雑音がない限りほぼ不可能です。
とはいえある程度音をこもらせておけば敵に視認されていない時の発射場所の特定をいくらかは遅らせる
ことができます。
ということで内部の消音加工まではしないでサイレンサのみ取付ます。
ただ、元々結構な長さのあるR93にサイレンサを付けると相当ロングになってあまりにも取り回しが
悪くなります。
だからと言ってこのスタイルにショートサイレンサーでは陳腐に見えてしまうので純正ハイダーを利用して
極力本来のイメージを壊さない外観に仕上げました。

まずはサイレンサアタッチメントを取付ます。


純正ハイダーの中に5cm程度に加工したショートサイレンサを組み込みます


さらに実銃のようなハイダー固定バンドを再現します。
手っ取り早くホースバンドを取り付けて不要部分をカット、黒く塗装します


こんな感じになりました。
全長は5cmだけ長くなっています、固定バンドもぱっと見では誰も気づかないと思います。


【その他の外観
ゲームユーザーとしてはスリングが無いのは非常に困る問題です。
ストック側は手持ちのベルトでどうにかなったのですがフロント側は付ける場所がありません。
バイポットは常時必要な訳ではなく、着脱が容易なベルサバイポットを付けたかったのでレイルを付けて
バイポットベースとスリングを両方取付ました。
(スイベル用のベルサバイポットベースはちょっとゴツイのでレイル用を使用しました)



【総合評価】

色々と手を加えた結果 0.29gグランドマスター使用で0.75J(チームレギュレーション0.8J未満)
屋外無風 40mで30cm程度のグルーピングになりました。
ほぼヘッドショットに収まるレベルです。
デビュー戦ではブッシュや立木のわずかな隙間を抜けてのヒットも成功しておりゲーム用としても
十分使えます。

個人の好みもありますが重量バランスが自分に合っていてスコープ下辺りを片手で軽く支えるだけで
バランスが取れるのでチャンスを待って長時間キープするのもとても楽です。
見た目とは違って軽いのでアクティブスナイパーとして走り回ったり、電動ガンとの併用も可能です。



【迷彩カバー制作】
自身の標準装備はマルチカムでフィールドは山です。
アタッカーとして黒のアサルト系を持つこともありますが、この時は移動しまくって目立つので色は関係なく
行動に支障はありませんがスナイパーライフルでじっとしていると黒くて長い直線的な物体はどうしても
目立ってしまします。
迷彩塗装するのもいいんですがブラックボディーは最もブレイザーらしいカラーなので両立したいところです。
(塗装するくらいなら最初からTANカラー版にしとけよってことです)
ということでマルチカム生地を使って着脱可能なカバーを制作しました。
M24でも作っていたんですが今回のブレイザーは形状が非常に複雑なんで分割式にしました。
固定はベルクロです。


付けるとこんな感じです。
銃の後半は抱え込んで腕や体で隠れるのでそのままです。




取り外しは30秒、取付は1分です。



【ショート&ロングサイレンサ化】
R93は軽くて重量バランスが良くゲームでの戦果もかなり優秀です。
出撃頻度が増えるとどうしても気になるのが長いバレルと発射音。
外観重視でハイダーに内臓した極小サイレンサも最低限の仕事はしてくれていますがもう少し音を
抑えたいし、元々長い銃身に5cmとはいえ追加された長さは取り回しにも影響します。
そこでついに購入時から考えていたショートバレル&ロングサイレンサ化に着手しました。

まずはバレルカットですが、外観の個人的な好みで先端に取って付けたようなサイレンサは嫌いなので
できるだけ長いサイレンサをアウターバレルの代わりにします。
調達したのは34cmの超ロングサイレンサーです。

●アウターバレルカッ
 仕上がりを現状からマイナス10cm(純正から-5cm)になる位置でアウターバレルをブッタ切ります。
 サイレンサを取り付けるためアダプターはファーストファクトリーのクルツ用です。
 両方オスなのでアウター側にタップを切ります。


●ネジ切り
 バレルカットやタップを正確に切るために色々と治具を作って使用していますが
 ここでは省略します。


 アダプターのアウター側が緩まないように固定用芋ネジを打ちます。
 接着してしまってもいいんですが締め込み加減でセンターにズレが生じないよう
 適正な位置で固定できるようにします。
 芋ネジは裏面の目立たない位置です。


●インナーバレルカット
 インナーはサイレンサーの半分程度でカットしました。
 長さ的にはM4ショートほどですが内部機構の調整ができれば命中精度や射程は
 確保できます。「長いバレルじゃないと当たらない」というのは迷信です。
 インナー無固定の部分が長くなるので画像では樹脂製の外装をかぶせて外径を
 調整し、サイレンサーの内装で固定してブレ防止になるようにしています。


●完成!!
 残ったアウターのフルート加工部分が細すぎて見栄えが悪いのでカーボン柄のカラーを作って入れています。








●実射テスト

 機関部の消音をほとんどしていないので撃っている本人は打撃音が響きますが正面からの発射音は
 かなり緩和されました。
 見た目は超ロングですが実質16cmくらいしか機能していないので一般的なサイレンサーの効果を
 得られたという感じです。
 ただ取り回しについてはかなり改善されました。
 Dフィールドは木立の隙間に銃を差し込むことが多いので10cmの短縮は見た目以上に効果が
 大きくアクティブスナイパーとしての機動力が向上しました。
 インナーバレルカットに合わせて再調整もおこないました。
 初速は現状維持ですが失速直前の伸びが良くなり有効射程が若干上がった感じです。
 グルーピングは屋外無風40mで30cm程度とこちらも加工前と同じですが左右の乱れが減少して
 主に上下方向の変動になったので非常に狙いやすく実戦向きとなっています。

●ストッキング新調
 以前制作したバレルカバーが使えなくなったので新たに制作しました。
 もちろん簡単に着脱可能です。
 これだけでもかなり目立たなくなります。


【インナーバレル交換&チャンバー調整バー新調】
メンテナンスや調整で何度かチャンバーユニットを取り出していると調整レバーのピン穴部分が欠けて
しまいました。
設計上の問題なのかもしれませんがこの調整レバーはチャンバーブロックからはみ出しているため
アウターバレル内側に干渉していたのが原因だと思います。
純正の調整機構の名残で肉厚が無く、樹脂の材質も悪いのでアルミで作り直します。


こんな感じで作りました。
新調ついでに長掛けホップ仕様にして戻り用のスプリングも入れました。


インナーはライラクスのストレートチャンバー用バレルに変更しました。
長掛け用にホップ窓が長く内部の特殊形状で弾を3点支持できる構造です。
(詳しくはメーカーHPを参照ください)
ホップパッキンは突起が無い物を使用するので通常のセンター出しの溝が
ありません。
専用パッキンを購入してもいいのですがノーマルパッキンの突起物を削って
90度ずらして使用します。


バレルの黒い部分は別パーツです。
工作精度は非常に高く、ネジや接着なしにピタリと収まります。


組み立て状態です。


チャンバーブロックにピッタリ収まるように製作しているので今度はインナーバレルに
干渉しません。
レバー固定用のピンも細くてグラグラだったのでサイズアップして遊びを
解消しました。


今回の調整レバーはストレートチャンバー&バレルに特化して製作したので
相性がいいようです。
これまで以上に弾の伸びが良くなり弾道も安定しています。